返信先: おデブさん3代目 固体ロケットモーター キタコレ

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#8773
TakaQ
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参加者

>これって正しい
>>①「高度が高すぎて届かないから」
>>②「そもそも領空侵犯していないから(宇宙空間だから)
能力的なものと、法的なものに分けて考えなくてはいけないので、①は概ねあってるけれども②がかなりテキトー

時系列は報道によると
午前5時58分 発射
6時2分 Jアラート
6時6分 北海道襟裳岬上空通過
6時12分 襟裳岬東1180kmの海上に着弾

政府発表によれば、安倍晋三首相いわく
「発射直後から北朝鮮ミサイルの動きは完全に把握していた。国民の生命と安全を守る万全な態勢を取っている」
と発言していて、つまり、発射については発射直後から探知して追尾していた事になるので、なぜ迎撃しなかったのかという話になるのですが、まず法的な話からしますと

自衛隊法第八十二条の三「弾道ミサイル等に対する破壊措置」より抜粋要約
【弾道弾破壊措置命令】
・我が国に飛来するおそれがあり、その落下による我が国領域における人命又は
財産に対する被害を防止するため必要があると認める場合
・我が国領域又は公海の上空において破壊する

とあるので、「わが国領域」つまり領土や領海における人命や財産の被害防止目的のためだけに迎撃が認められている以上、それ以外で迎撃してしまうと違法になってしまいます

一方、能力的な話になると、ソース元にもある通り、メディアでよく見かけるPAC-3は、今回の件でも仮にグアム向けでもそもそも出番は無いです
PAC-3の迎撃高度は15km程度、射程も20km程度(最新の改良型でもこの倍)とされていて、自分に向かって落ちてきた弾道弾を、大気圏下層の地上ギリギリで破壊するミサイルなので、日本本土に向かって落ちてこないミサイルの迎撃はできません

上記をまとめると
①の法的な理由は
日本本土以外に着弾する弾道弾を迎撃する権限は法的に通常付与されてない
「落ちてくる場合」は迎撃可能だが、「落ちてくるかもしれない」段階では迎撃できないのが現行法
②の能力的な理由は
・現行のSM-3 Block1Aでは、日本の上空を通過するだけで、迎撃高度に降りてこない弾道弾には届かない(スペック的にもしかしたら届くかも知れない高度ではあるが確実ではない)
・PAC-3にいたっては、日本本土どころか迎撃可能範囲内(20~30㎞)に着弾する軌道でないモノに対しては交戦機会そのものがない

という事になるワケですね
もっとも、より迎撃範囲の広大なSM-3 Block2A(迎撃高度は1000km程度、射程も2000km程度)が運用されれば、事情は変わります
ちな2018年完成予定で、早ければ即時導入の政府方針

日本着弾コースに乗らない場合は遺憾砲しか撃てない
日本からすると極論を言えば「バットふって欲しいならストライクゾーンに投げてこいやノーコンが」という話になるw
現状北朝鮮は敬遠球しか投げてきてない

こっから補足と余談
現状「弾道弾破壊措置命令」は24時間365日発令状態になっているので、「日本着弾コース」の弾道弾ならば政治判断は不要で、現場自衛隊指揮官レベルの判断で迎撃が可能
つまり日本本土着弾コースの場合は、「自衛隊の現場指揮官がどう判断するか」 次第でもあるのですが、今回の例に当てはめれば、現場の弾道解析から日本着弾コースではないから迎撃不要と判断したというのが最大の理由かと

弾道解析ってのはだいたいこんな流れ
①レーダーと早期警戒衛星(米軍データリンク)で発射のアクションをキャッチ
②ミサイルの現在位置を捕捉して、即座に衛星情報から発射場所を特定
③②で特定したミサイル現在地と発射地点の二点から発射方角を計算
④ミサイルの軌道を追尾して、打ち上げ角度と最高高度の頂点が確定(加速用ロケットブースターの燃焼が終了)したらその時点で着弾場所が判明

つまり④の加速用ロケットの燃焼終了時点、若しくはロケットの加速されていた時間で日本に着弾するかどうかが判断できる
具体的に言うと、日本本土上空でまだ加速を続けているようなら日本本土に落ちてくる事は確実に無い的な

7月4日の火星14号の追跡だと
9時39分 発射
9時51分 防衛省のお知らせ (EEZ着弾、本土着弾のおそれなし)
10時20分頃 着弾

今回の8月29日の弾道弾については
5時58分 発射
6時2分 Jアラート
6時6分 北海道襟裳岬上空通過
6時12分 襟裳岬東1180kmの海上に着弾

なので、おおよそ全飛翔時間の始めの1/4くらいのフェーズ(ブースターの加速終了時点あたり)で日本本土着弾の有無は判断できてるのが判ります
ちなJアラートは日本着弾の可能性がなくても、日本の上空を通過するだけで鳴るようになってるので、システムとしては正常

法律の話も余計なことを書いておくと
小野寺大臣が 「グアムにミサイルが向かってく場合は存立危機事態に該当する」とかいう話をして、例によってパヨが騒いでいたけれども、これは完全に政治判断になるので、迎撃する場合には事前にグアムに向かう場合はヤレという命令を現場に出しておいてあげないと、現場の自衛隊指揮官では迎撃実行の判断ができません

存立危機事態の定義は
「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」
とあるので、グアム(の米軍基地)への攻撃はイコール米軍の戦力低下→日米安保の抑止力低下→日本の安全保障が脅かされるということで、これに該当する可能性があると言う判断ですから、なんもおかしくはないですね